Technical Information
技術情報
ソレノイドの動作原理から製品選定まで、
技術的な疑問をわかりやすく解説します。
What is Solenoid?
ソレノイドとは
銅線に電流を流すことにより磁界を発生させ、磁性体の可動鉄芯を吸い寄せる(吸引)電気部品です。
銅線に電流を流したとき、可動鉄芯は銅線内の固定鉄芯方向に吸い寄せられ、通電している間は常に吸い寄せられていますが、電流を断てば吸引力は消滅します。
この動作を応用して、一般的なプル(吸引)ソレノイド、プッシュバーを装着した「吸引=押し」動作のプッシュソレノイド、永久磁石を組み込んだ自己保持ソレノイドなど、多くのバリエーションがあります。
動作原理
コイルに電流を通電
磁界(電磁石)が発生
プランジャー(可動鉄芯)が吸引される
電流を切ると吸引力消滅(自然復帰)
Structure
内部構造と各部品
プランジャー(可動鉄芯)
ソレノイドの駆動部品。磁界が発生すると固定鉄芯方向に引き寄せられます。主に磁性体でできており、取付穴(タップ)が加工されています。
コイル
電流を流すことで磁界を発生させる主要部品。ボビン・銅線・リード線・外装テープで構成されます。内部に温度ヒューズやダイオードを装着することもあります。
固定鉄芯(ヨーク)
コイルに磁界が発生すると磁束が通り、可動鉄芯を引き寄せます。可動鉄芯と向かい合う形状が吸引力特性と密接に関係します。
Types
ソレノイドの種類
用途に合わせて最適なタイプをお選びください
プルソレノイド
引く(吸引)
コイルに通電すると、プランジャーが内部の固定鉄芯方向に引き込まれます。最も一般的なタイプ。
主な用途
プッシュソレノイド
押す(突出)
プランジャーにプッシュバーを装着。吸引動作と同時に先端から押し出し動作を行います。
主な用途
自己保持ソレノイド
電源OFF後も状態維持
永久磁石を内蔵し、通電して切替えた後は電源を切っても状態を保持。省電力用途に最適。
主な用途
両動ソレノイド(TPP)
押す・引く両方
+/-を反転させることでプランジャーの押し出し・引き込みを切替え。OFF時は永久磁石で保持。
主な用途
Selection Guide
製品選定の基本パラメータ
ソレノイドを選定する際に確認すべき6つのポイント
動作タイプ
プル型 / プッシュ型 / 両動型 / 自己保持型
💡 アプリケーションの動作方向から選定
必要吸引力
N(ニュートン)で指定。1N ≈ 100g重
💡 負荷の重さ + 摩擦力 + 安全率(1.5〜2倍)で計算
ストローク
動作距離(mm)。大きいほど吸引力が低下
💡 実際の可動範囲に余裕を持たせた値を選定
電源電圧
5V / 12V / 24V DC(DC12Vが最も一般的)
💡 既存の電源ラインに合わせる
デューティ比
ON時間 ÷(ON+OFF)× 100 (%)
💡 連続使用ならED100%品、間欠使用は用途に応じて選択
外形サイズ
取付スペース・重量制約
💡 CADデータで実装前に干渉チェック
Glossary
技術用語解説
吸引力特性(吸引ストローク特性)
ストローク位置による吸引力の変化を示したグラフ。ストロークが大きくなるほど吸引力は低下します。製品選定時には必ず使用ストロークでの吸引力を確認してください。
デューティ比(通電率)
ON時間 ÷(ON時間 + OFF時間)× 100(%)で表します。例:ED50%は1秒ON・1秒OFF。通電率が高いほど発熱が大きくなるため、用途に合った通電率の製品を選定する必要があります。
残留磁気
ソレノイドの磁性体が磁化し、通電をやめても残留した磁力によって吸着状態になる現象。Eリングやワッシャー付き製品は、プランジャーと鉄心が接触しないため影響がほぼありません。
逆起電力(サージ)
電源を切ったときにコイルに発生する高電圧。制御回路を保護するため、ダイオード(400V耐圧 1A以上)を並列に接続することを推奨します。