Technical Information

技術情報

ソレノイドの動作原理から製品選定まで、
技術的な疑問をわかりやすく解説します。

What is Solenoid?

ソレノイドとは

銅線に電流を流すことにより磁界を発生させ、磁性体の可動鉄芯を吸い寄せる(吸引)電気部品です。

銅線に電流を流したとき、可動鉄芯は銅線内の固定鉄芯方向に吸い寄せられ、通電している間は常に吸い寄せられていますが、電流を断てば吸引力は消滅します。

この動作を応用して、一般的なプル(吸引)ソレノイド、プッシュバーを装着した「吸引=押し」動作のプッシュソレノイド、永久磁石を組み込んだ自己保持ソレノイドなど、多くのバリエーションがあります。

動作原理

1

コイルに電流を通電

2

磁界(電磁石)が発生

3

プランジャー(可動鉄芯)が吸引される

4

電流を切ると吸引力消滅(自然復帰)

Structure

内部構造と各部品

プランジャー(可動鉄芯)

ソレノイドの駆動部品。磁界が発生すると固定鉄芯方向に引き寄せられます。主に磁性体でできており、取付穴(タップ)が加工されています。

コイル

電流を流すことで磁界を発生させる主要部品。ボビン・銅線・リード線・外装テープで構成されます。内部に温度ヒューズやダイオードを装着することもあります。

固定鉄芯(ヨーク)

コイルに磁界が発生すると磁束が通り、可動鉄芯を引き寄せます。可動鉄芯と向かい合う形状が吸引力特性と密接に関係します。

Types

ソレノイドの種類

用途に合わせて最適なタイプをお選びください

プルソレノイド

引く(吸引)

コイルに通電すると、プランジャーが内部の固定鉄芯方向に引き込まれます。最も一般的なタイプ。

主な用途

ドアロック解除バルブ開閉部品ストッパー

プッシュソレノイド

押す(突出)

プランジャーにプッシュバーを装着。吸引動作と同時に先端から押し出し動作を行います。

主な用途

押し出し機構ピン固定・解除タッチ操作自動化

自己保持ソレノイド

電源OFF後も状態維持

永久磁石を内蔵し、通電して切替えた後は電源を切っても状態を保持。省電力用途に最適。

主な用途

省エネロック長時間保持機構金融防犯機器

両動ソレノイド(TPP)

押す・引く両方

+/-を反転させることでプランジャーの押し出し・引き込みを切替え。OFF時は永久磁石で保持。

主な用途

往復動作機器切替えバルブアクチュエーター

Selection Guide

製品選定の基本パラメータ

ソレノイドを選定する際に確認すべき6つのポイント

1

動作タイプ

プル型 / プッシュ型 / 両動型 / 自己保持型

💡 アプリケーションの動作方向から選定

2

必要吸引力

N(ニュートン)で指定。1N ≈ 100g重

💡 負荷の重さ + 摩擦力 + 安全率(1.5〜2倍)で計算

3

ストローク

動作距離(mm)。大きいほど吸引力が低下

💡 実際の可動範囲に余裕を持たせた値を選定

4

電源電圧

5V / 12V / 24V DC(DC12Vが最も一般的)

💡 既存の電源ラインに合わせる

5

デューティ比

ON時間 ÷(ON+OFF)× 100 (%)

💡 連続使用ならED100%品、間欠使用は用途に応じて選択

6

外形サイズ

取付スペース・重量制約

💡 CADデータで実装前に干渉チェック

Glossary

技術用語解説

吸引力特性(吸引ストローク特性)

ストローク位置による吸引力の変化を示したグラフ。ストロークが大きくなるほど吸引力は低下します。製品選定時には必ず使用ストロークでの吸引力を確認してください。

デューティ比(通電率)

ON時間 ÷(ON時間 + OFF時間)× 100(%)で表します。例:ED50%は1秒ON・1秒OFF。通電率が高いほど発熱が大きくなるため、用途に合った通電率の製品を選定する必要があります。

残留磁気

ソレノイドの磁性体が磁化し、通電をやめても残留した磁力によって吸着状態になる現象。Eリングやワッシャー付き製品は、プランジャーと鉄心が接触しないため影響がほぼありません。

逆起電力(サージ)

電源を切ったときにコイルに発生する高電圧。制御回路を保護するため、ダイオード(400V耐圧 1A以上)を並列に接続することを推奨します。